前節のレノファ山口戦で今季初勝利を挙げた我らがツエーゲン。劇的かつ理想的な勝利であった。実際は、完璧に抑えてのゼロ封ではなく相手の攻撃に手を焼いた。特にスルーパスにより、ディフェンスラインを破られて決定的な場面は何度かあった。GK原田欽庸のファインセーブに助けられる等猛攻を凌いで終了間際の値千金の金子のヘディングシュートで勝利をものにした。まさにツエーゲンらしい勝利となった。
今節の対戦相手は、昨季ホーム開幕戦で勝利(3-0)をした東京ヴェルディ。連勝で弾みをつけたいところだが、8戦勝利がないヴェルディは、必死に立ち向かってくるであろう。そのような状況でチームをまとめて、不振からの脱却を図ってくるには、キャプテンでディフェンスリーダーの井林章が中心となる。クレバーなゲームを読む力やヘディングの強さが彼の武器である。また、人間性が良く人望があるのも特徴だ。井林の統率力がヴェルディの浮上のカギを握る。
ツエーゲンは前節劇的なゴールを挙げたFW14金子昌弘に期待がかかる。怪我に苦しみ昨年は思うような結果を残せなかった。今季も怪我で出遅れて第10節からの出場となった。金子の持ち味は、鋭いドリブルと裏への抜け出すスピードだ。金子のドリブルで前線へボールを運び、良いリズムを作ることができればツエーゲンの良いリズムを作ることができる。もう一人は、DF阿渡真也選手に期待だ。左サイドバックで先発をして、途中から右サイドに入り、金子へのドンピシャのセンタリングを上げた。彼の本来の持ち味はしつこいディフェンスだが、大事な試合でアシストや得点を挙げる意外性の男でもある。
今節はただの13節目ではなく、今季のツエーゲンを占う大事な試合となる。この試合、勝利をものにすれば、ツエーゲンらしいサッカーを取り戻し、再び上昇気流に乗れるであろう。
是非、スタジアムに足を運んで観戦に訪れて、大きな声で選手に声援を送って欲しい。
ツエーゲン金沢
シニアアドバイザー
佐々木達也