松本山雅FCは、ほぼ同じ時期にチームが設立され、2006年より“北信越からJリーグを目指す”ライバルとして雌雄を決してきた。しかしながら、2012年にツエーゲンより先んじてJ2に昇格を果たし、2015年はJ1での戦いを挑み16位で2016年はJ2降格となった。
昨年の天皇杯以来の「北信越ダービーマッチ」。リーグ戦では2011年11月JFLでの対戦以来5年ぶりの対戦となる。
対戦成績は5勝1分10敗と大きく負け越しており、目下4連敗中。永遠のライバルと再び同じ土俵(カテゴリー)で戦う。ホームでは絶対に負けたくない相手だ。
松本の戦力分析をしてみたい。3-4-3のフォーメーション。
GK1シュミット・ダニエルはベガルタ仙台からのレンタル移籍による加入だが、非常にスケールの大きなゴールキーパーで、将来は日本代表を狙える才能を持つ選手だ。スリーバックの中心DF4飯田真輝は、体格に恵まれ空中戦に強く、攻撃面ではオーバーラップを試み得点に絡む仕事もする。また、DF11喜山康平は、どこでもこなせるユーティリティプレーヤーでビルドアップ(組み立て)の柱となる選手だ。彼からボールをサイドに運び、縦へのスルーパスも出し、後ろからの攻撃の起点にもなる。
MFの中心は15宮阪政樹だ。ボランチの位置で攻撃の起点となる。非常に運動量があり攻守の要として移籍1年目だが、チームの中心的存在となった。セットプレーはキッカーを務め、正確でスピードのあるボールを蹴ることができる。そして、もう一人は元日本代表で長野県松本市出身3田中隼磨。横浜マリノスや名古屋グランパスで活躍をしていたが、地元松本でのプレーを選び故郷に戻ってきた。松本の躍進は彼の経験がチームにもたらした影響によるところが非常に大きい。ベテランの域に達しているが、昨季は全試合フルタイム出場。攻撃参加では右サイドを駆け上がり、守備の際にはディフェンスラインに入り、彼の献身的な働きが松本山雅FCを支えていると言って過言ではない。FWはワントップに29高崎寛之が入り、ツーシャドーには23工藤浩平と19山本大貴が入る。高崎は空中戦に強くポストプレーに長けており、工藤と山本は裏スペースへの抜け出す動きが巧く、相手によってロングボールを多用してきたり、サイドからの攻撃を多用してきたりと元オリンピック日本代表監督の反町康治監督は相手チームの戦術分析により、ウィークポイントを徹底的に狙い、ストロングポイントを消す戦術をとってくる。
我らがツエーゲンは、3人の選手に期待をしたい。
1人目は、GK31原田欽庸。松本のロングボールを原田が競り勝つ。ディフェンスと原田のスペースに出てくるボールを原田が前に出て対応する。ミドルレンジからのシュートを原田がセーブする。高崎に合わせてくるセンタリングを原田がキャッチ及びパンチングする。恐らくこの試合は、原田の活躍がなくては勝てないであろう。守護神原田に期待だ。
2人目は、FW30山崎雅人。前線からのプレス、オフザボールの動き、裏スペースへの抜け出しでゴールに繋がる働きをしてくれること期待したい。大一番に強いメンタルも見せてくれるのではないだろうか。
そして最後に、キャプテンDF3作田裕次。この試合は単なる1節1試合ではない。クラブ創設以来のライバル対決北信越ダービーマッチだ。石川県のプライドにかけてこの試合に臨まなければいけない。地元出身の作田がやってくれるに違いない。
最後に、松本山雅FCの最大の特徴は、12番目の選手「サポーター」だ。アウェイでの戦いでも、多くのサポーターが駆けつけて、アウェイをホーム化してしまい、選手を後押しする。松本サポーターが歌う「信濃の国」は圧巻だ。Jリーグのお手本クラブだと言って過言ではない。今こそ、ツエーゲン金沢、加賀百万石の街を誇りに結集する時だ。立ち上がれ石川県民、手を叩き、叫ぼうではないか。
この北信越ダービーだけは絶対に負けられない。
ツエーゲン金沢
シニアアドバイザー
佐々木達也
【対戦成績】
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