第8節を終えて6勝2敗勝ち点18の2位。初陣ツエーゲン金沢旋風を巻き起こし、サッカー界に衝撃を与えている。この勢いはいつまで続くか。J1復帰を目標に掲げるコンサドーレ札幌を迎えての一戦。タレント揃いの相手に、ツエーゲンの堅守速攻サッカーで勝負に挑む。
コンサドーレ札幌は、強力な補強でJ1復帰を目指している。GKはセレッソ大阪からレンタルで獲得のU-21韓国代表にも選ばれたク・ソンユン。MFとCBをこなし、2度のワールドカップを経験した稲本潤一。左サイドは川崎フロンターレからレンタル移籍で加入の福森晃人。そして、昨季はFC岐阜で17得点を記録したFWナザリト。
そして、昨季から加入14得点でチーム得点王の都倉賢。リオ五輪メンバー候補の荒野拓馬。
ベテランと若手がうまくかみ合えばJ1復帰が十分可能なメンバーだ。
この中で、サッカーファンとして特に注目すべきは、2002年の日韓ワールドカップで2得点を挙げて、日本代表を決勝トーナメントに導いた稲本潤一だ。今年で36歳を迎えるが、技術はまだまだ衰えない。CBやボランチ(守備的MF)の位置でチームの舵を取る。彼のディフェンス時の読みの深さからくるインターセプト、攻撃時の鋭いパスや自らゴールを奪いにいく姿勢は、観るに値する。
また、ピンクレディーや山口百恵の作曲を手掛けた都倉俊一を叔父に持つ都倉賢はFC東京の武藤よりも先に現役慶大生として川崎フロンターレでデビューした。ヴィッセル神戸に移籍後に才能が開花し、甘いマスクには似合わない強引な突破力と強いメンタルでチームに得点をもたらす。
そして、最も危険な存在は今季5得点を挙げているナザリト。今まで対戦してきた中で、最も身体能力が優れている選手と言って過言ではないだろう。彼の暴れ馬のような突進力には要注意だ。
対する、ツエーゲンは、辻尾真二に注目だ。コンサドーレ札幌は、ファウル数はリーグでも多く、良い位置でのフリーキック獲得のチャンスが何度か訪れることが予想される。辻尾の右足から放たれる放物線でツエーゲンに勝利をもたらす。
そして、道産子清原が、コンサドーレ札幌相手に燃えないわけがない。大学卒業まで北海道で過ごした清原を獲得しなかった相手に、清原は燃える。J1経験のある札幌相手に好調ツエーゲンはどこまでできるか、ツエーゲンの強さは本物か否かの真価が問われる一戦だ。
森下監督、竹原コーチは古巣対決。
技術力と気持ちのこもった戦いになることは間違いない。
ツエーゲン金沢シニアアドバイザー
佐々木達也