明治安田生命J2リーグ第13節は、ファジアーノ岡山を迎えての戦い。
第11節のホーム水戸戦では、アディショナルタイムに阿渡選手のクロスからジャーン・モーゼル選手の劇的なヘディングゴールで勝利し、単独首位。J2史上昇格チームの首位は初めてという快挙。
水永選手、辻尾選手を外して、阿渡選手とジャーン選手で勝利したことは、チームにとって非常に大きな勝利だ。思い切ったメンバー変更とベンチワークによる知将森下の采配が目を引いた。
この強さはもはやフロックではない。勢いだけではない。毎試合厳しい戦いが続くが、ツエーゲンは間違いなく、試合を重ねるごとに強くなってきている。
「J2リーグ特別連携企画 アラウンド・ザ・日本三名園」第3弾
ツエーゲン金沢(兼六園)対ファジアーノ岡山(後楽園)
クラブの成り立ちは、非常に似ているクラブであり、ツエーゲンが学ぶべき市民クラブといえるだろう。
ファジアーノ岡山の特徴は、元日本代表のDF岩政大樹選手とDF加地亮選手。ワールドカップメンバーである彼らの経験が、ファジアーノ岡山に新たな風を吹き込んでいる。ベテランではあるものの、二人ともここまで全試合出場。岩政選手が最終ラインを引っ張り、加地選手が右サイドを駆け上がる。彼らのプレーには要注意ではあるが、ワールドカップを戦った選手のプレーを是非観てほしい。
岡山のフォーメーションは3-4-3。ボール支配率は低く、相手にボールを持たせて、奪ったらカウンターを狙う。お互いに守備を意識したチーム。
ツエーゲンのピックアップ選手は、辻尾真二選手。辻尾選手のオーバーラップに期待したい。札幌戦、水戸戦ともに、サイドからのクロスから得点。岩政選手を中心に三人のCBで守る岡山の守備をこじ開けるのは容易ではない。サイドからの崩しができるかがこの試合の鍵を握る。そして、今季のツエーゲンの得点源であるフリーキック。辻尾選手の右足から放たれる放物線がネットを揺らすのをそろそろファン・サポーターも観たい。マッチアップはないが、加地選手との右サイド対決から目を離せない。
ゴールデンウイーク連戦の最終戦。
第11節を終えて単独首位に立ったツエーゲン金沢。
金沢蹴球劇場を是非体感して欲しい。筋書きのないドラマとはまさにこのことだ。
次節ホームゲームは、ファジアーノ岡山を迎えて、9日土曜日13時キックオフ。
昇格一年目で首位に立つ金沢戦士に声援を送って欲しい。
彼らの諦めないひたむきな姿勢が金沢旋風を巻き起こしているのを皆さまの目で確かめてほしい。
ツエーゲン金沢
シニアアドバイザー 佐々木達也