10月2日(日)ファジアーノ岡山戦にて、サッカーを通じ、誰もが共に暮らし続けられるまちづくりを目指し「挑戦」する活動「Future Challenge Project」を開催いたしました。
本プロジェクトでは「共生社会」の実現に向けて、諸団体の皆さまと実行委員会を立ち上げ、「視覚障害者の方と共にサッカー・スポーツ観戦を楽しむことができる環境・雰囲気を創り上げること」を合言葉に、企画運営いたしました。
当日は、10名の視覚障害者の方が試合観戦会にご参加くださいました。
視覚障害の方に安心・安全に観戦を楽しんでいただけるよう、観戦会には金城大学・金沢星稜大学の学生さんが介添えとして参加。
金沢駅ースタジアム間の移動を含め、視覚障害の方々の観戦サポートを行いました。
金沢駅での集合の時から、参加者の方と介添えの学生さんがコミュニケーションをとり、笑顔で談笑している様子も見受けられました。
スタジアム到着後は二手に分かれて試合前体験オプションを開催!
オプションその1はピッチ上での「ブラインドサッカー体験会」です。
ツエーゲン金沢BFC指導のもと、一般参加の方々と一緒にブラインドサッカーを楽しんでいただきました。
オプションその2は、ゴール裏の「横断幕掲出体験」です。
サポーターの皆さんからのレクチャーを聴きながら、介添え学生と一緒にホーム席上段の横断幕を掲出いただきました。
参加された視覚障害の方からは「初めての体験で楽しかった」という声や「(掲出作業の)お役に立ててうれしかった」とのコメントをいただきました。
また、希望された方と一緒に「選手バス入り待ち体験」も実施!
初めての経験に、「太鼓で盛り上がっている中に一緒に混ざれて楽しかった」との感想をいただきました。
場外では、金沢星稜大学の学生さん達の企画による、視覚障害啓発・体験ブースが展開されていました。
こちらのブースは、NPO法人石川バリアフリーツアーセンター様ご協力のもと、視覚障害を疑似体験できるゆるスポーツ「ブランド麺モリー」や、階段を用いた介添え体験コーナーなど、「来場された方に視覚障害のことを理解してほしい!」という想いで金沢星稜大学の学生の皆さんが企画・運営を行いました。
体験コーナーに足を運んでくださった方には「体験を通して感じたこと」「視覚障害者に対するイメージがどのように変わったか」アンケートをとっており、多くの方に回答いただくことができました。
スタジアム場内では、来場された先着3,000名の方に「応援啓発ハリセン」を配布。
ただの応援グッズではなく、視覚障害のことを知っていただくための情報を掲載した「啓発グッズ」にもなっています。
皆さま、内容をじっくりご覧いただけましたでしょうか?
そして、視覚障害の方もピッチ上での戦況がわかるように、当日はPlatCastにて、昨年に引き続きMRO北陸放送谷川恵一アナウンサー、およびツエーゲン金沢辻尾真二クラブアンバサダーによる試合の実況・解説を配信いたしました。
視覚障害の方にピッチ上の戦況を理解いただくためには、視覚情報に頼らず、より具体的な表現で実況を行う必要があります。
視覚障害者の方々からは「流れやどこにボールがあるかなど全部教えてくれたし、状況がわかりやすかった」といったコメントをいただけました。
昨年の観戦会では、全員SA席での観戦となっていましたが、今年は新たにホーム席も席種として追加!
ホーム席で観戦された方の中には、サポーターの方から応援の仕方を教わって、一緒にチャントをうたって応援してくださる方も。
ハリセンを叩きながら、みんなで声を出して応援!勝利の喜びをみんなで分かち合い、無事に観戦会を終えることができました!
<観戦会に参加された視覚障害者の方の感想>
・スタジアムには1人では来れないけれども、介添えの学生さん達の存在のおかげで来れることができて良かった。
・スタジアムで、学生さんやサポーターと一緒にツエーゲンを応援できたということが嬉しいです。
・ボランティアの皆さんの力を借りることができ、試合の臨場感を味わうことが出来た。
<学生ボランティアの感想>
・ツエーゲン金沢の熱いサポーターと一緒に視覚障害あるなしに関わらず、盛り上がれたのは最高でした。プロスポーツを通して、視覚障害の方と関わり、視覚障害についてより詳しく知れたことは良かったと思います。
・実際触れ合ってみて、障害を壁として捉えているのは自分たち健常者側だと感じたので、これからは自分から積極的に声をかけたりしたいと感じた。
・自分が今感じている当たり前は当たり前じゃないことが分かった。全盲の方からすると、階段は単なる段差ではなく危険が多くある障害物であると感じた。なので、自分の当たり前を基準にすると全盲の方にとって、きついことが分かった。
今年のFuture Challenge Projectは、昨年以上に内容が充実し、かつ多くの方に視覚障害について知っていただく機会を創り上げることができました。また、介添えやブースの運営を担当した学生ボランティアの皆さんにとっても、学びのある1日となったようです。
来年も、視覚障害の方々と一緒に観戦を楽しめる機会、そして障害についての理解を促す取り組みとしてFuture Challenge Projectを開催いたします。
本プロジェクトにご協力いただきました各団体の皆さま、ありがとうございました。
「Future Challenge Project」開催概要
■対象試合
10月2日(日)2022明治安田生命J2リーグ第39節 ファジアーノ岡山戦(14:00キックオフ)
■開催目的
石川県を「誰もが共に暮らし続けられるまち」にするために、視覚障害者の方を対象に以下3点の目的を掲げております。
・視覚障害者の方と共にサッカー観戦を楽しむ
障害のあるなしに関わらず、共にサッカー観戦を楽しむことができる環境をつくりあげる
・視覚障害者の方の「新しい挑戦」への第一歩となるきっかけづくり
「目が見えない」ことを理由に家に引きこもってしまっている視覚障害者の方が、外の世界に出るためのきっかけづくりをする
・「お互い様」があふれるまちづくり
視覚障害者の方への理解を深め「お互い様」の気持ちで接することができる人を増やし、「ノーマライゼーション」を普及する
■主催
Future Challenge Project実行委員会
(「あうわ」視覚障害者の働くを考える会 / 金沢市市民活動サポートセンター / 金沢星稜大学 スポーツ学科地域スポーツマネジメント研究室・新谷研究室 / ツエーゲン金沢サポーター / ツエーゲン金沢BFC / ツエーゲン金沢)
※五十音順
■後援
石川県 / 社会福祉法人石川県視覚障害者協会 / 金沢市 / 株式会社北國新聞社 ※五十音順
■協力
株式会社アイ・オー・データ機器 / NPO法人石川バリアフリーツアーセンター / 金沢工業大学 松井くにお研究室 / 金城大学 / 北陸放送株式会社 ※五十音順